251.5 | ryifb4 | sa.yona.la ヘルプ | タグ一覧 | アカウント登録 | ログイン
« 787 943.1 »

251.5

返信

はたと目が覚めた。

もともと任務中の眠りは浅いので、すぐ頭ははっきりとしてくる。


「…物音?」


なにか木の軋む音がする。

ここは石造りの地下室だ、軋む音は家具からの音しかない。


「なにやってんの…こんな時間に」


ラウドが起きると悪いので、明るいディスプレイを隠しながらボイスレコーダーを起動させる。

音が漏れないようにイヤホンも必須だ。

ワイヤレス集音マイクをそーっと上部の壁の隙間に置いて。


「まったく…」


すこしボリュームを上げると何を話しているか聞こえてきた。


『オッサン、ケ…に……なに……る』

『ひ……ぶりだ……具合は…』


すこし雑音が多いが、ノイズキャンセラでも通せばきれいになるだろう。

報告書を書くために録音しておかねば。


しかしなんか様子が変だ。


「はて…?」


まだ会話が続いているが、どうもリュートの口ぶりから何か嫌がっている様子。

でも片足を骨折している所為なのか、知り合いの所為なのか暴れる気配がない。

嫌がることがあればすぐ攻撃する性格かと思っていたのだが…

暫く様子を伺うことにしてみる。


『へぇ……なに…って…か?』

『うるさい!』


なんか…余裕の無い返事になってる気がするのは気のせいでしょうか。


それにしても似たようなものを何かで…どこかで…

たとえば雑誌とか…マンガとか…小説とか…


「あ。」


パズルが一気に組みあがる感覚。

それと共に今、隣の部屋で何が起こっているか把握してしまった。




「…あわわわわ」


音声だけ。というのも、いらぬ想像をかき立てられてしまうものである。


「…はわわ…これじゃ、提出できな…あぅ~」


雰囲気からして何かあるとは思ったものの、まさかまさか予想してたとおりとは。



http://ryifb4.sa.yona.la/1

投稿者 ryifb4 | 返信 (0) | トラックバック (0)

このエントリーへのトラックバックアドレス:
API | 利用規約 | プライバシーポリシー | お問い合わせ Copyright (C) 2024 HeartRails Inc. All Rights Reserved.