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「少々お邪魔しますよっと」
自分の胸くらいしかない少女がぱたぱたと動き回る。
ころころと変わる表情。
今までに見たことが無い部類の人。
「……」
不思議な人。
隠れ家に入って「暗いっ!」と言ったきりずっと掃除している。
ここは昔、水牢だとリュートが言ってた。
明るくなるわけがないのに。
「あー、カンテラかランプ…後でいいや」
「……」
「ん?何か聞きたいことある?」
じっと目で追っていたのに気がついたらしい。
声を掛けられた。
「…なんで掃除してるの?」
「しばらくココにいるんだったら、少しでもすごしやすい方がいいじゃない」
今度は、何処かからか毛布を何枚か持ってきて寝床を作り出した。
二人分。
「……なんで?」
「リュートが治るまであなたが体調管理をしっかりしなくてどーすんのよ」
「???」
「今のうち、休息を取るのも仕事よ」
言っている意味がいまいちわからない。
でも慣れないことが多くて、疲れている。
「ほんと、久しぶりに横になって寝れるわ~」
ひっぱられて簡素な寝床に座らされる。
ユイも片方の寝床に寝そべり、あくびをしながら伸びをする。
「私が疲れてるんだから、あなたはそれ以上に疲れているはずよ。じゃおやすみ」
本当に不思議な人。
疲れていることまで見抜かれた。
ほんと不思議な人…
投稿者 ryifb4 | 返信 (0) | トラックバック (0)