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窓が突風でびりびりと震える。


あの二人は普段から得体の知れない存在だ。

まさかラウドを起こして、50人強もの手練の相手をたった3人で捌くなど正気の沙汰か。

それよりも強制的に起こされたラウドの体力が気になる。

10分以上の戦闘は考えていない。

だから長期戦は自分がコントロールしないと持たないのだ


「早くしないと…っ」


廊下の角を曲がればすぐだというのに、運悪く玄関先に私兵数人と術士一人がいた。


「なっ、どうやって拘束を解いた?!」


声に聞き覚えがある、薬を使った術士だ。


「悪いな、こっちの支援者はお前たちよりも有能でな!」


二人同時に同じ構えで術を作り出しはじめる。

もしかしたらこいつは「換え」の術士か?


その術は窓の破壊音で中断してしまう。

続いて聞こえた扉の破壊音。


「うわっ」


飛び込んできた白い影に、一瞬で私兵がなぎ倒される。

重装備の鎧を装備していたのにもかかわらず、子供のように軽くあしらわれた。


「なに…?」


術士が驚きの表情のまま固まっている。

いつの間にか、わき腹を深々と一閃されていた。

飛び込んできたのは一人ではなかったのだ。

見知った影に思わず駆け寄る。


「あれほど勝手に出るなと言っただろ!!!」


感情のまま叱ったはずだが、行動は裏腹に抱きついてしまっていた。


「うん、ごめんなさい…でも」

「言い訳は後で聞く、無茶するな…!」


「っが…それが術か」


術士はわき腹から出血があるものの急所が外れていたようだ。

傷口を押さえ、呻いている。


「知った所で何ができる?」

「ははっ…術さえ乗っ取ればこちらの勝ちだ」


構えを取り、術を組み始めたが…

やはり高度な術ほど複雑で難解なため、組みあがりに時間がかかるか。


「遅いな」

「…なに?」

「見ればわかるさ。ラウド、舞い狂え」


腕の中の体がびくりと反応する。

気づいた相手の術士の顔が引きつっていく。


「なん…だと、術が効かない?!ありえない!!」

「乗っ取りのしかたさえ知っていれば防げるんだよ。

 俺の言うことだけ聞くようにすればいいだけだからな、別に術でなくとも構わない」

投稿者 ryifb4 | 返信 (0) | トラックバック (0)

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