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リュートに呼ばれた。
起きようとすると、ひっかかる感じ。
「コラ、ぼーっとするなよ」
見上げたリュートに赤い影のようなものが見えた。
しかし、まばたきすると消えてしまった…気のせい?
自分の手を動かし、何も異常がないことを確かめる。
「いくぞ」
不審に思ったのか声を掛けられた。
その背中を追いかける。
夜は寒い。
人に見つからないように、影を選んで進んでいく。
ただ、誰かに見られている気がずーっと離れない。
それは人けが無い場所に出るまで続いた。
「さて、始めるぞ」
つっと背中に緊張が走る。
いつもなら目の前が真っ白になって、リュートの声しか聞こえない。
嫌いで好きなイヤな一瞬。
いつものように……
メリッという音が耳元で響いた。
一瞬遅れて叫ぶ声。
動けない体をおそるおそる見ると……もう一人の自分が自分と中途半端にくっついて……
投稿者 ryifb4 | 返信 (0) | トラックバック (0)