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少し、試してみたいことがあった。
一つは、教えてもらった体術がどこまで通用するのか。
もう一つは…
「いらない、なくても大丈夫」
リュートの術を拒むこと。
どうしても、自分でどこまでやれるか試したかった。
逃げ出した最後の一人を追いかける。
しばらく走って、追いついたところで致命傷を与えた。
教えてもらったとおりに、勢いを殺さずにそのままぶつかって行く感じで。
手ごたえは…深い。
今までに無い深い感触。
少し角度を変えただけなのに、うっかりしたら骨に突き刺さって抜けなくなりそうだ。
そして、生々しい感覚が手に残る。
今まではずーっとリュートの術にかかっててよくわからなかった。
やっと、自分がやっていることを理解できた。
フェイトが漏らした「価値観なんて、人様々だ」ということもなんとなくわかった。
いろいろぐるぐると考えてみるけど、やっぱり行き着くところは一つだけ。
自分のセカイの中心はリュートしかいないということ。
「終わったか?」
ざり、と聞きなれた足音が止まる。
「うん、終わった」
「そうか…」
不意に頭を撫でられる。
普通ならすぐ何かされて眠くなったりすることがあるけど、今日はそんな気配が全くない。
なんか変だけど、しばらくこのままでも悪くはないと思う。
投稿者 ryifb4 | 返信 (0) | トラックバック (0)