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聞こえるのは鈴と水の音だけ。
張り詰めた空気で激しい歌と踊りのぶつかり合い。
周りの見物客が息を潜めて成り行きを見守る。
決着は唐突に訪れた。
ぶつっという音と同時に押さえた弦に手応えが無くなる。
一瞬後に切れた弦が左頬を掠めた。
「っ!…」
急に歌が止み、あたりは噴水の音と鈴の余韻だけになる。
「悪い、弦が切れてしまった」
「残念ね、もう少し楽しみたかったわ」
歌と踊りの終焉で、辺りの空気から緊張感が一気に抜ける。
そうするとどこからともなく拍手が起こった。
投稿者 ryifb4 | 返信 (0) | トラックバック (0)