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「ちょっとお兄さん、おつかい頼まれてくんない?」


本に偽装させた端末を弄っていた月唯に声を掛けられる。

最近、リュートが出かける間の子守中はいつも弄っているのだ。


「買い物だったら自分で行けよ…」

「残念ながら、お買い物ではありませんのよ」


手招きされて覗き込んだ端末には注意のアラートが点滅していた。

戦闘任務の作戦に使うフィールドマップを応用して、買い物に出たリュートを追いかけていたらしい。


「…いつのまに仕掛けた?」

「行水中にこっそりとマントに仕込みました」


そういえば、「野暮用だ」と言って出かけてかれこれ一時間半は過ぎた。


「30分前からぴたりと動かないのよねぇ…列ならじりじり動くはずなのに」

「だから行って来いと」

「そーゆうこと」




ステルスをかけてから窓を飛び出す。

やはり市場のような混雑した場所で探す場合は上から探した方がいい。

しかし、月唯から指定された所は市場から離れた場所だった。


「何があると言われれば…公園、民家、宗教施設…人気無いな」

『うーわー、やられた。絶対捕まってる、見た目より抜けてるから』

「まだそうと決まったわけじゃないだろ、近くまでナビしろ」


文句を言いながら反応がある場所まで屋根伝いに飛んでいく。

反応が一番近くなったところで足を止めた。


「そこそこ広い…商人系の家か」

『フェイト、その家の高さどのくらい?』

「二階建てだ、5mって所だろう」

『…なんで10mも…地下室かぁ』


外から見ても手伝い以外の気配はない。

ただ、屋根から玄関を覗き込むと人の出入りはひっきりなしに続いている。


「くさいな、やっぱり」

『理由は何にしろ、飛び込みますか』

「今の時間は人が多すぎて騒ぎになる、深夜か朝方だな」

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