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「舞え、舞い狂え」
次の瞬間、衝撃に続いて激痛が走り視界が歪む。
何が起こったか解らなかった。
暴走したラウドに真横に吹き飛ばされ、おもいっきり塀に叩きつけられたのだ。
まさかこんなことになるとは思うはずがない、油断した証拠だ。
「っぐ…何が原因だ…」
普段から術でラウドに枷をつけて押さえつけている。
その「枷」を外すのに失敗して暴走したとしか考えられない。
しかしその枷は自分が掛けたものだ、外すのに失敗する理由が無いし、考えられない。
「なーにやってんのよリュート」
「お前らか…」
割り込むように降り立つ二つの影。
いつも余計なちょっかいを掛けてくる二人組か。
「一大事だったら二択」
「俺のモノにキズつけたら承知しない…!」
「りょーかい♪」
軽い返事だったが、目が笑っていない。
その証拠に、きらりと月光を跳ね返した糸は一瞬でラウドの動きを止めた。
「ん~フェイト、やっぱり腕掴んで止めちゃって」
「月唯…すこしは踏ん張れよ」
「リュート~、ぼーっとしてないで早くやっちゃいなさい」
はっ、と我に返ると完全にラウドの動きは封じられていた。
ラウドの力は自分がよく知っている。
それを一分少々で鮮やかに止めたこの二人の力量は計り知れない。
こいつら一体何者だ?
投稿者 ryifb4 | 返信 (0) | トラックバック (0)