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ただ、一度でも心に衝撃を与えたかっただけだ。
どういう形でもいい。
「お前、ほんとに抵抗しないのか」
「…っ、ぁがっ」
しかし、首を絞めているのに抵抗しないとは…よっぽど師匠に仕込まれたか。
何かふつふつと沸いてくるものがある。
腕の力を緩めると、相手は苦しそうに肩で息をついた。
「はっ…がはっ……」
「俺の命令は絶対か」
「…ぅっ、術士の命令はっ…!ぐぅ」
驚きに見開かれた目。
なんだ、感情が無いわけではないらしい。
表情が歪むのがおもしろくなり、つい何度も締め上げた。
「……なん…で…」
「気に入らないんだよ」
ほとんど意識が飛んでいる相手は、虚ろに空を見ている。
聞こえているのか解らないが、耳元で囁く。
「ラウド、お前は俺が必要な時にしかいらない」
「…イラナイ……必要な時だけ…」
「そうだ、必要な時だけいればいい」
投稿者 ryifb4 | 返信 (0) | トラックバック (0)