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どれほど悩んだことか。
いい加減覚悟を決めなければならない。
自分の最期を見据えること。
術の完成には、一番最後に自分が餌食にならないといけないのは知っている。
やるからには確実に。
まるまる一つ目的を書き換えたようなものだ。
負担は相当なものだろう…
「いてて、ツメ立てるな」
しがみついてくる力が容赦ない。
呼吸も荒く、うめき声が絶えない。
落ち着くように頭や肩を撫でていても逆効果のようだった。
「りゅ…と、くるし…っ…」
その言葉を言うか言わないうちに、ラウドの力が抜ける。
顔を覗きこむと、焦点の合わない目が閉じられる。
「逃げるな、ラウド」
気を失いかけていたところを無理やり起こす。
ここで書き換えしたものを無に返すのは面倒だ。
それに、気分的に一回で終わらせたかった。
「ゆっくりでいい、受け入れろ」
自分にも言い聞かせるように言う。
これは決められたことだ、後戻りはできない。
「後戻りは出来ない、終わりまで進むしかないんだよ」
投稿者 ryifb4 | 返信 (0) | トラックバック (0)